2011年04月17日

安全なのか危険なのか、情報に疲れた私達が考えるべきことは

ブログの本筋と違う話題ですみませんが、福島第一原発の話題です。


官邸が"放射線の影響は起こらない"との見解を示しました。
http://www.kantei.go.jp/saigai/senmonka_g3.html
当然、国民から不安の声、専門家から疑問の声が上がっています。


震災直後から私達は、放射能と健康にまつわる話を飽きるほど聞いてきました。

私は本職は薬剤師で、安全性と危険性の線引きをするのが仕事のひとつですが、
今回の一件にはほとほと辟易しています。

放射性物質にさらされている現状は安全なのか、危険なのか。
明確な答えが出ずになんだか疲れてしまった、という人のために、
これを書いてみます。


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まずこの状況で、
私達が最も重要に考えなければならないのは、
"安全か危険か"ではありません。

それはプロが考えることですし、現状を見てご存知の通り、
今までもこれからも納得のいく答えはくれません。
誰かが危険だといい、違う誰かが安全だという。
誰がどうしようと、この状態は永遠に続きます。

ですから、ちょっと乱暴ですが、ここはいったん
"安全か危険かは、さして重要な問題ではない"
と考えることにします。


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ここはいったん心境をまっさらにして、
"未来の生活"を想像します。

自分の暮らしよりも、
家族の暮らし、親しい人たちの暮らしが良いかもしれません。
あなたの周りに、妊娠の可能性のある女性、妊婦、乳児、小児が
いらっしゃるなら、その人を中心に想像して下さい。



例えばここで、妊娠している女性が居るとします。
それはあなたかもしれませんし、あなたの家族や、身近な人かも知れません。


赤ん坊が産まれた時、
そして、その子が産まれてしばらく経ち、
障害を持っていたと分かったとき、
その瞬間を想像します。



医師からその事実を知らされたとき、


あなたがまず考えるのは

「電力会社のせいだ、国のせいだ、責任を取れ」

では無いと思います。



多分、あなたは

「私があの時放射性物質を避けていれば…。」
「私があの時放射性物質を避けるように言っていれば、協力していれば…。」


と思うはずです。



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多かれ少なかれ、
あなたは後悔するはずです。


それはチラッと脳裏をかすめるだけかも知れませんし、
毎晩眠れなくなるほどの後悔かも知れません。


私は、これが一番大事なことだと考えます。
"あなたが後悔するかどうか"です。



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"安全か危険か"ということは重要ではありません。


なぜなら、
さきほど想像した、"あなたが後悔する"
未来が現実に起こり得るのかというと、

放射性物質の影響のあるなしに関係なく、起こり得るからです。


これもさんざん言われていることですが、根拠は2つ。

1.放射能とは関係なしに、人は病気になります。
赤ん坊の100人に3人はなんらかの障害を持って産まれて来ます。
日本人の2人に1人はがんにかかります。

2.奇形やがんは簡単に治る病気ではありません。
放射能被爆と関連があるとされるダウン症は先天性の疾患です。
根本的な治療法がありません。
放射性物質に起因した甲状腺がんは治りやすいとの報告はありますが、
基本的に甲状腺を摘出するか破壊する必要がありますから、
治療後一生薬を飲み続け、定期的に検査をしなければなりません。



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ですから、
"安全か危険か"に関わらず、
あなたの子供が障害を持って産まれる可能性は少なくとも3%あります。

その3%(+α)になって、
障害と一生向き合っていかなければならなくなったとき、
子供さんに申し訳ないと思わないで、
"あなた自信が後悔せずに生きられるか"
大切なのはその一点です。



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あなたの子供が障害を持って産まれたときのことを考えて、
万が一、あなたの子供になにか良くない病気が起こっても、
あなたが後悔することの無いように、今を生活して下さい。


そのためには、
納得できる範囲で良いです。

自分自身が納得できる範囲で、
自分を取り巻く生活と被爆量に折り合いをつけて、
可能な範囲で放射性物質を避けて生活することだと思います。



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医療疫学の最も基本的な考え方を、専門家も一般人も
あまりにないがしろにしているように見えました。

それが私達を混乱させている一番の原因と思い、
文に起こさせて頂きました。

作文は苦手ですが、
もし続きが書けそうなら、また書きます。


※実際に障害や小児がんを持っていらっしゃる方や
 そのご家族には不快に思われる部分もあるかも
 知れませんが、放射能と関連が認められている
 疾患として挙げさせて頂きました。ご了承下さい。
posted by ulysses at 21:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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